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言葉 ( 講演録等 )

暴力団研究者の言葉

 

社団法人被害者支援都民センターの機関紙「センターニュース」7号巻頭掲載
麦島文夫博士の寄稿文から抜粋

 

「暴力団が無くなる気配を見せいてない原因は・・・
  ・・・暴力団の存在に対してもっと怒るべき」

 
 


 「・・・私の専門領域の一つは暴力団研究でした。その研究課題の一つに、住民が暴力団に対して持つ態度や被害がありました。暴力団からの直接的被害は、地域で言うならば盛り場の特に風俗関係、飲食関係のお店でたかり被害が多くなるとか、借金をした人の債権取立てに暴力団がからむ等の他、一般市民の場合でも交通事故にからめて恐喝的被害が多く見られたりしています。

 その詳細はともかく、暴威を振るう暴力団が無くなる気配を見せていない原因の一つには、我々一般市民の暴力団に対する態度があるようです。すなわち調査をしてみると、暴力団はなくなるべきだと市民の大部分は思っているのですが、同時にそのほとんどの人が、暴力団はどうせ無くならないとあきらめ、暴力団への怒りが極めて少ないようでした
 ところで少し考えてみれば、たとえ自分が直接被害を受けていなくても、日本全体とその一員である自分もまた、暴力団から間接的に被害を受けていることは明白です。すなわち暴力団への対策として、警察や裁判所、刑務所その他に沢山の税金を使っているし、お店などにも暴力団にみかじめ料などを支払う場合、そのつけは結局我々みんなに及んでいるのです。

 その被害感をみんなが感じ、同時に暴力団の存在に対してもっと怒るべきでしょう。それなくして暴力団はなくなりません。」


 --- 中略 ---


 ---怒りを共有することこそ、全ての犯罪対策の原点でしょう。