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言葉 ( 講演録等 )

平成21年全国暴力追放運動中央大会講演

「九州最大の指定暴力団道仁会の進出を阻止した暴追運動について」

 財団法人佐賀県暴力追放運動推進センター
相談委員 丸山保武

 


1.はじめに

 
 ただ今、ご紹介いただきました丸山でございます。
 昨年の3月まで佐賀県暴追センターに勤務させていただいておりましたが、その5年間、皆様方には大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
 現在は、暴追センター職員と鳥栖市・みやき町暴追連絡協議会の参与であります。
 本日は、「指定暴力団道仁会の進出を阻止した暴追運動について」お話をさせていただきますが、こういう暴追運動もあるということで参考にしていただければと思い厚かましくやってまいりました。
 今回の現場の模様などパワーポイントで出しながらお話させていただきます。


2.行政の取り組み

 
 まず、経緯について説明しますと、道仁会はお隣の福岡県久留米市に本拠を構えている九州最大の暴力団ですが、久留米市の市民の皆様が中心となって長年組本部事務所の立ち退き運動をされている状態にあります。
 このことと今回の移転問題は関係していると思いますし、その久留米市と今回の拠点となった佐賀県のみやき町とは筑後川ひとつはさんだ目と鼻の先というのがぴったりの場所で、よくもまあこんな場所を、いつの間に暴力団が見つけたのかと地元の住民の皆さんも本当に驚かれていました。
 驚かされることばかりで、今回の暴力団排除運動は始まりました。
 写真の道仁会本部事務所ですが、現在は立入禁止の処分がなされて、裁判所の管理下に置かれ、このため道仁会本部事務所は先日久留米市内の傘下組事務所に移転しています。(写真説明)
 昨年11月21日、鳥栖警察署長からみやき町役場に情報がもたらされました。それは「指定暴力団道仁会がみやき町内の元民間会社保養施設に移転すべく、組員が改修工事をしている」というものでありました。
 みやき町にとりましてはまさに青天の霹靂というもので、しかも、暴力団事務所が「町内に来るかもしれませんよ」ではありません。
 町内の小高い丘の上に建つ、財閥が金にいとめをつけずに立てた広大な元保養施設の改修工事に、すでに取り掛かっているというのですから大変な騒ぎです。
 住民は、頭の上に暴力団の事務所らしいのができている、しかも中はフェンスに囲まれて全く見えませんし、言われて初めて暴力団員が複数出入りしていると知ったのです。
 しかも、抗争事件を起して争っている暴力団なのですから大変です。(写真説明)
 
土地          23,577,51㎡
固定資産評価    204,383,988円
建物8棟           8千万円
計           2億9千万円位
(写真説明)

 みやき町としては、何をどうして良いのか全くの未経験の事柄ですが、町の立ち上がりは早かった。これが早期解決につながった要因のひとつであると思います。
 立ち上がり時に取った町の取り組みの主なものを説明しますと、情報提供の翌日には、町長・正副議長・区長会正副会長・町幹部ほかで、暴力団対策について協議を開始したほか、県警本部・警察署とも今後の対応について協議に入ったのであります。
 それに、当該施設が隣接する鳥栖市とも今後統一行動をとり、お互いに連携しあうことを確認しました。
 しかし、未経験の事案に対処することは容易ではありません。27日に町幹部が県知事・県議会・警察本部を訪れ現状説明と今後の対応について協議、翌日にはみやき町で「緊急住民説明会を開催」することを決めました。その際、県警に対して町から暴力団対応の専門要員の派遣要請がなされ、佐賀県が費用を補助し、暴追センターの職員として私が町役場に常駐することとなりました。
 これらの町の要請に即座に応えた佐賀県と県警に、町及び住民の皆さんは感謝されていました。信頼関係のスタートであります。
 今回の事案は、二つの行政にまたがっているものですから、私が最初に町にお願いしたのは町の責務として、暴力団の排除を盛り込んだ「安全安心まちづくり推進条例」、いわゆる『暴追条例』を制定してもらうことでした。
 これによって体制作りからはじめたのですが、1月初めには出来上がりました。合間をぬっての作業でしたが、町民代表の全区長が参加し、全町民にも説明会を開き、現状と条例の必要性について理解をもとめたので、全町民の暴追意識づくりのためにも良かったと思います。
 県議会は、町の訪問を受けた後、暴追決議をしてくれました。
 このため、県下の市町村も相次いで暴追決議をして、全県下が自分たちの問題であると支援の姿勢を明確にして、暴排活動の支援をしてくれました。
 2月県議会で、全国初の「佐賀県暴力団事務所等の開設の防止に関する条例」が可決制定され、7月1日から施行されています。
 それに、すでに道仁会事務所追い出しのために訴訟中である、暴追の先輩である久留米市との情報交換も数回行い連携を確認しましたし、隣接する全町村にも連携した取り組みのお願いもいたしました。


3.住民の強い決意

 
 その中での、第一回の緊急住民説明会には1,500人という地元住民が集まりましたが、これほどの住民参加は予想以上のものでした。
 この時の住民の熱気が伝わって来ましたし、皆さんの不安な顔を見ていると、道仁会を平和そのもののみやき町に入れてはいけないと思いました。
 その後もみやき町と鳥栖市において住民説明会を行いましたし、みやき町内のすべての集まり、会合にもちょこちょこと70回位出席して説明をして回りました。
 もちろん、警察と民暴委員会の弁護士会ともがっちり連携し、三者協議会で対応することの確認はとっていますので、すべての住民説明会には警察本部長、刑事部長、鳥栖警察署長、弁護団の先生方も参加し話をしていただきました。
 この住民説明会時点での問題点は、これまで立ち上がりからずっと行政、つまり町長を中心として行政がリードして来ており、もちろん暴追活動は住民が主体となって行うものですが、今回はそんなこと言っている時間がないので行政が先頭に立って進めていたところです。そのような特異なケースの中、説明会での住民の声を要約すると
 

  • ここまで行政でやってくれたから、最後までこのままでやってくれ。
  • 暴力団は入れたくないがその運動に関わりたくない。
  • 住民の声を上げるだけで効果が期待できるのか。
  • 暴力団が怖い。


 など、結論は自分たちが前面に出ての運動はやりたくないというものでした。
 それに、隣接する鳥栖市の住民の中には、施設は総てみやき町にある。みやき町の問題だろうと、住民間の温度差も生じてきました。
 この考えは、行政間にも温度差は出てまいります。それに、そこまで行政がやらねばならないのか、ということまで出てきました。
 しかし、双方の首長が記者会見で連携して対応していくと言っていますので、小さなことでも温度差の違いが表面に出てきますと地元住民への影響は大きいので、即不安へと変わってきます。
 小さなことですが、この辺の調整も大事になってきます。というのも二つの行政にまたがっているからこそ、知事や県の機関も支援している部分があるのです。
 この問題点は、三者協議会の県警・弁護団・暴追センターがそれぞれひざ突き合わせて、「暴追運動の主体は住民の皆さんです」、「最終的には民事訴訟によって暴力団阻止をするんですよ」と住民ひとり一人が納得するまで説明しました。
 完全決着するまで三者協議会が支援し続けることと、支援内容をわかり易く説明することで、お互いの心が通じ合ったと思います。この曲折があったからこそかえって信頼感が芽生えて、民意の総意形成へとつながり問題解消ができました。
 この間、私はみやき町内を70回近く回ることになりますが、いわゆるつじ説法であります。主な集会には弁護団の先生方にも参加していただきました。


4.警察の対応と暴力団の動向

 
 ここで県警に感謝したいのは、いち早く本部長が説明会の住民に、「24時間体制で最後まで警備をする」と直接言明されたことです。それと、住民の要望に応えて臨時の交番所を施設出入り口の道路沿いに建ててくれましたし、パトカー2台で施設の正門と裏口に常駐して警戒態勢をとっていただきました。
 警察にとっては大変な体制作りであったと思います。(写真説明)
 施設の入り口交差点横に土地を借り受け、警察派出所を作り、ここを拠点として警戒態勢に入りました。
 しかし、地元の住民にとっては安心安全のよりどころですし、解決した今もパトロールは続いています。この警戒は地域住民に対して安心感を広げ、暴追運動を進めることにも大変ありがたいものでした。警察の後ろ盾なしでは運動は続きません。地元住民の皆さんが、警戒中の警察官にお菓子やカイロ等の差し入れをしてくれました。安心感、信頼感、感謝の心から出たものであります。
 そんな状況の中で、私が住民の皆さんに言い続けたことは、当然のことですが
 「暴力団進出阻止の運動の主体は皆さんですよ」
 「暴力団は来るなという声を上げ続けることが一番大事です」
 「暴力団は皆さんの声行動に神経を尖らせて見ています」
 「暴力団を入れてしまうと道で子供の遊ぶ声もなくなりますよ」
と同じことを何度も何度も繰り返して話し、くじけないように励まし続けました。
 ある意味で、田舎の人たちは純朴ですが頑固でもあります。だからこそ一旦決心した意思は変わらないことも事実です。
 住民主体といっても、集会通知、文書作り、会場設備など総て役場のほうで住民代表の名前でやりました。
 その間、暴力団側の動きとしては施設の正門に、弁護士、会長代行の連名で「この施設は組事務所ではありません。個人の私宅として使用する予定です。住民の皆さんは、警察やマスコミ報道に振り回されることなく冷静に対応してください」との張り紙を出しました。自分のほうから道仁会と認めるものですし、組事務所としての改装と認定されるのを恐れたためのカムフラージュと思います。
 同じ文書は配達証明で町長あてにも送られてきました。運動の効果がでてきたのです。もちろん住民へも話しをしました。
 12月7日に、暴力追放大決起集会およびパレードを施設が見える広場で行いましたが、国会議員、県知事、警察本部長、県内各首長、久留米市民、県内住民4,500人が参加しました。
 役場の一番大きい音量スピーカーで、「暴力団は来るな」「暴力団は出て行け」のシュプレヒコールで、暴追の気勢を示し施設内ぎりぎりまで行進しました。(写真説明 決起集会、パレード、新聞記事)
 県警も福岡県警と合同でこの日にあわせて強制捜索に入ってくれました。
 この時点では、民事訴訟の原告団となっていただくみやき町・鳥栖市の住民の皆さんの、暴追の意思は固まっておりましたし、住民間の連携も強いものでした。
 そして、この日を境に暴力団の出入りがぴたりと止まりました。住民パワーの声、活動の効果が出てきたものと思います。


5.報道対応

 
 ここまでで、今回の運動に大きな影響を与えたのは、一連のテレビと新聞報道でもあったと思います。
 活動現場にとっては、ある意味手ごわい相手でもありますが、味方にすればこのうえない大きな力ともなります。「暴追のプロ派遣」という県内で初めてのことで話題を提供したため、連日取材インタビューがありましたが、この時とばかりにリップサービスにこれ努めました。報道を通じて情報を発信して住民の皆さんに情報を共有していただくのと、地元住民だけで運動しているのではないという安心感を与えること、運動の盛り上がりを暴力団に伝える一石三鳥の狙いでしたが、報道も連日大きく紙面を割いてくれ、それが運動を続ける住民に勇気と力を与えてくれたと痛感しました。
 しかし、逆のこともあります。というのも「道仁会幹部が撤退を表明した」「所有者の会社社長と契約破棄の手続きに入った」「所有者は暴力団には施設を貸さないと言明」などなど、誤った報道先行で住民がもう終わったなど惑わされ、それを打ち消すのに大変なエネルギーを要したこともありました。
 しかし、暴追運動の盛り上がり、住民の強い意志を相手の暴力団へも知らせることができ効果があったと思います。
 なにしろ反対運動の状況をそのまま、どうだと言わんばかりに突きつけた形になったと考えます。
 このように、局面局面で、この種の運動に携わる住民の不安感は常について回ります、運動が一日長くなればなるほど不安は増してくるものです、早い解決がなによりですが、暴追運動には時間がかかるのが現実です。


6.運動方針の決定

 
 住民の意思・決意が固まり高まってくると、次の運動の方向性・活動内容等の施策を理解させ、歩調が乱れない舵取りが必要となってきます。
 住民説明会では、「暴力団の施設使用禁止の仮処分」と「当該不動産の購入」の二本柱でいくということで連携を図っています。
 住民の皆さんがわかりやすく、これとこれで行くと簡単な運動方針を示すことが一番だと思います。「郵政民営化」「政権交代」のキャッチフレーズにより勝利した国政選挙と一緒です。
 一方、民事訴訟で困ったことがあったのです。改装工事の内容がわかりませんし、栃木県の所有会社と管理不動産、それに暴力団との契約内容が全くつかめないのです。仲介管理不動産が逃げ回り最後まで捕まらなかったのです。
 訴訟時期を弁護団の先生方と協議していましたが、住民は訴訟を早くして一日も早く安心したいとの思いが強かったのです。しかし暴追運動には負ける訴訟はないので す。裁判になった場合、組の事務所等の証明に不安要素はありましたが、警察の共同捜索の写真等から立証することとして、弁護団から県警への照会書に正式に回答してもらうということで立証しようと踏み切りました。
 結局5月に訴訟することに決め、これも大きく報道されました。資金についても行政で出しとくれの声もありましたが、みやき町・鳥栖市の住民から、一戸1,000円のカンパをすることで準備に入りました。
 施設周辺から500メートルの住民の中から、人格権に基づく訴訟原告人を募りましたが、ここでも、最初は暴力団側に名前が漏れて危険な目に会うのではないか、などの声が出ましたが、そのためにも多い人数で臨みましょうと呼びかけ、各区長さんに委任状を渡してお願いしました。100人の予定が驚くなかれ、909人という数の原告団を結成することができました。
 まさに住民パワーの結集です。ここまでひとつの力にまとめたのは、住民代表つまり8人の区長さん方の人徳・リーダーシップにつきます。今回の運動はこの区長さん達の尽力なしでは成功しなかったと感謝しております。
 最初は、鳥栖市、みやき町の区長双方間にもギクシャクした空気が流れ、そのため、連携を図るために、住民説明会の後に区長さんだけを集めて話し合いを持ち、双方の協力を確認してもらいました。
 弁護団6人の先生方には、運動のスタートからずっと住民説明会など総てに参加していただきながら、費用は久留米市の半額などと、無理なお願いをして、ここまで総てボランティア活動状態でしたが、本当に力強い支援でした。


7.土地建物の取得交渉

 
 また、不動産購入については、行政で購入することは今後他の暴追運動にも影響するということで、県・県警とも反対であり、企業や暴追センターなどで購入することも検討しましたが、現在の景気状況からできませんので、やむを得ずに特例の緊急避難的措置として、行政で購入することで方針は決まりました。
 というのも、このころに所有権が移る、つまり暴力団を含めて売りにだすらしいとの、未確認ながら高度の情報がもたらされこともあり、所有権が移転した場合にはさらに厳しくなるとの判断でありました。
 行政で購入すると方針決定してから、今度は両方の議会の理解を得るための説明に奔走し、全員協議会の支持を取り付けました。
 しかし、これからが最後の本当の山でありました。所有者の観光開発の社長との交渉であります。交渉には購入価格をぐっと下げて交渉を始めました。こちらも安いに越したことはありませんから、ところが相手もさる者でした。
 電話・ファックスで40回、栃木県に出向いて4回と交渉を続けましたが、この所有者が見事な人でありました。「裏で暴力団とつながっている」「所有権は暴力団に移っている」という情報も最初からありましたが、登記簿上所有権者であるから、それはそれとして、この会社社長と交渉しようと、町から委任された民暴の焼山弁護士さんと交渉に臨んだのです。
 まさに一筋縄ではいかない、海千山千の老獪さと、ペテン師まがいの言動は繰り返しますし、約束は守らないで本当に大変な交渉でした。土地転がしで生きてきた人ですから、途中何度もやめてやるかと腹がたつたのも事実であります。これはここだけの話です。
 当該不動産は、8,200万円で購入していることは警察の調査でわかっていましたが、登記等の手続きなどで、一億円くらい費用がかさんでいることも事実でしたので、最後は売ることに合意したものの所有者は、損はしたくないと、一億円を譲りませんでした。
 所有者には、県税と町税の未納分が1千万円位ありましたから、支払いのときに現場で差し引こうと考えておりました。そうしないと県・町の職員では歯が立たないと判っておりますし、「必ず後で支払います」はないに等しい相手です。
 騙し合いではなく粘り強い交渉の結果、9,000万円で購入することで合意しました。
 5月27日に契約しました。この日は弁護士さんが作ってくれた、「不動産売買契約書」を持参していましたから、その場で弁護士さんの注意事項を守りながら署名実印もいただきました。不思議と相手は何も言わなかったですね。
 契約書の停止条件は議会の承認が必要となっていました。税金を使うのですし、後で議会・地元住民への説明責任が果たせる金額だろうと言うことで決めたのです。もちろん町長とは事前にこの価格までなら大丈夫との打ち合わせはしていました。
 この施設は不動産の評価額は、3億円位ですので、今では皆さんいい買い物をしたと評価してくれています。
 支払いは現金で支払い、予定通り税金係官も同行していましたから、その場で気が変わらぬうちに未納税金も無事徴収しました。これも現金の威力と思います。9個の束から少しの税金を引いてもたいした額には見えません。作戦成功でした。
 支払いの際には司法書士も同行してもらい、移転登記手続きも即済ませました。
 町で施設の不動産を購入しましたので全面解決となり、訴訟費用として資金カンパした金額は後日住民の皆さんの総意により、一部の360万円は、暴追センターが今回のことから新しく作った暴追基金に寄付していただきました。
 道仁会は、改装工事費に3,000万円位かかっていると思います。後日組長以下で残り資材は持って行きましたが、改装した分はそのままにさせていますし、もう二度と来ることはありませんという言質は取っております。
 顧問弁護士あてに約定を出すように弁護団から通知文を送りましたが、書けませんと断りの回答書だけは取っています。


8.佐賀県三者協議会

 
 今回、半年という異例の速さで。九州最大の指定暴力団を退けたのは、暴力追放に向けた住民パワーのかってない高まりと、それを強力に支援した警察や弁護士会、いわゆる三者協議会の取り組みがあったことに尽きると思います。
 施設改修そのものには、明確な違法行為はない状況での施設購入という完全決着に、素直に喜びたいと思います。
 今回の暴追運動はみやき町のみならず、佐賀県民にとっても「貴重な経験と自信」になったと思います。
 今回の勝利は、佐賀県三者協議会の力を示せたものと思っていますが、佐賀県における三者協議会は、平成11年10月5日に、日本で3番目に締結され、設置後2箇月に1回、懸案事項の討議と情報の交換が行われ、三者の緊密な連携と信頼の絆が醸成され、これまでも様々な事案を迅速に解決してきたこの実績に裏打ちされたものだと思います。
 民暴委員長焼山先生も、今回のすべての取り組みについて絶対にいやとの異論なく「うんやろう」と言って前向きのご指導をいただきました。


9.おわりに

 
 今回の暴追運動の成功は、何度も言いますが、住民の皆さんが子供・孫の代に誇れる地域を残そうと、「暴力団阻止に向け」官民一体となっての取り組みが功をそうして、7カ月という短期間の解決に結びついたものと思います。
 私個人としては、これまでも暴力団事務所の追い出しはやってきましたが、今回の暴追運動が成功したことのひとつに、現地の役場に常駐させていただき、運動支援に専従することができましたので、地元住民の皆さんと強い連携・気綱がとれ、一緒に運動していることを実感していただいたこともあったと思います。佐賀県・県警に感謝しております。
 本日の話は、全国のどこでも取り組まれている方法であり、特に参考にはならなかったと思いますが、住民の暴力反対の声と佐賀県三者協議会との連携の勝利をここに報告させていただきます。
 ご清聴に感謝いたします、ありがとうございました。